私は三十代の女性です。数年前から漫画作品の「犬夜叉」を愛読しており、今年舞台化するとのことで、これは見なくては!と思っていました。

2.5次元にはあまり興味がありませんでしたが、好きな作品が舞台になるならば、話は別です。

自分なりに、舞台化したらどうなるかな……と考えていたので、実現した時の嬉しさといったら。
観賞した上、DVDも購入しました。

今回は、自分なりのオススメポイントや、感想をご紹介していきます。

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原作ファンもそれ以外も楽しめる舞台「犬夜叉」

高橋留美子先生の人気漫画「犬夜叉」の、舞台版です。

原作初期の話をコンパクトにまとめ、ストーリーも上手くアレンジして、原作を知らなくても分かるようになっています。

キャストは、皆さんイメージにぴったり。
主役の犬夜叉はゴールデンボンバーの喜屋武豊さんですが、ほぼ二時間走りっぱなしのハードな舞台を、しっかり演じ切っておられました。

ヒロインのかごめちゃんや桔梗様を演じるのは、乃木坂46のアイドルさん達。
でも演技がとても上手く素晴らしく、特に桔梗を演じた伊藤純奈さんは、完全に役を体現しておられました。

表現が難しい場面も、映像を投影するプロジェクションマッピングを使うことで、ちゃんとクリア。
原作ファンもそれ以外も楽しめる、素晴らしい舞台だと思います。

役者さんがイメージ通り

やはり一番の魅力は、役を体現しておられる、イメージ通りの役者さん達でしょうか。

個人的には殺生丸役の佐奈宏紀さん、桔梗役の伊藤純奈さん、奈落役の木村了さん。
あと、弥勒役の滝口幸広さんが、イメージピッタリだと感じました。

主人公の異母兄で、作中最強の強さと美貌を誇る、妖怪の殺生丸。
初期のイメージピッタリの、感情豊かでよく喋り、残酷な彼を生き生きと演じておられました。

衣装も少しアレンジされていて、黒い手甲(?)が色っぽく、舞台映えして素敵でした。

そして誇り高そうな喋り方や、キリリとした表情。なにより、手指の動かし方が、とても優雅で……
これは、舞台ならではの魅力だなあ、と思ったり。

桔梗は、美しく凛々しく、それでいて哀しみや恨みを秘めた悲運の巫女を、見事に演じておられました。

まだ十代とは思えない、落ち着いた気品のある所作や、喋り方。
薄い紅色の紗を纏い、扇を持って踊る場面では、妖しい魅力がありました。

黒幕である奈落は、外見も、陰険そうな喋り方も、まさに奈落そのもの!
声に不思議な魅力があり、一番舞台映えしていた一人かもしれません。

弥勒も、一見爽やかそうで胡散臭いところが、イメージにぴったり。
錫杖を使ったアクションも、カッコよかったです。

チケットの競争率が激しく、手に入らなかった方も多い

まず漫画が原作なので、元ネタを知らない人は、ハードルが高く感じるかもしれません。
ちゃんと、知らなくても楽しめるようになっていますが……。

またチケットが8.500円と高額なので、そこで尻込みする方も多いかと……。
原作ファンか、出演者さんのファンは迷わず行くでしょうけれど。

チケットの競争率が激しく、行きたくても、手に入らなかった方も多いです。

あとは、既に舞台の上演期間は終了しているので、観ようと思ったらDVDを購入するしかありません。
しかしそちらも、送料込みで7.000円ほどかかるので、よほど「観たい!」という気持ちがないと、買おうと思わないかもしれません……。

ストーリー構成は、見事の一言

原作を上手く取捨選択して、分かりやすくスピーディに作り替えたストーリーは、見事の一言です。
登場人物の紹介から、五十年前の事件。そして、黒幕の存在が明かされる部分まで。

ひとつ難を言えば、弥勒の登場がかなり後半からなので、もっと活躍を見たかったなあ、とは思います。
役のイメージぴったりだったし、アクションもカッコよかったので。

かごめ役の若月さんは、ちょっとオコリンボだけど、活動的で明るいヒロインを、生き生きと演じていました。

楓ばあちゃんは、原作よりずっとハッスルしてましたが、解説とお笑いを一手に引き受けて、全編に渡って大活躍。
犬夜叉達との掛け合いでは、アドリブを連発して笑わせてくれました。

小林健一さんは、お一人で老人と老婆と中年男性を演じるという、大活躍。
特に「和尚」役での楓との掛け合いは面白く、爆笑モノでした。

漫画と違って舞台化が難しい、体の小さいマスコットキャラクター達は出演しませんでしたが……。
その分、他のキャラクターが説明役を担っていたり、頑張って役割を引き受けていました。

個人的に、今回の舞台では出てこなかった、珊瑚ちゃん、りんちゃん、神楽姐さんは、ぜひ舞台で見たいです。もし第二弾があれば、ぜひ出して欲しいと、要望メールを送ってしまったほど。
特に、冷酷な殺生丸を変えていく幼女・りんちゃんとのエピソードは、ぜひ舞台でも見てみたいです。

どうやって表現するのだろう……と疑問だった、巨大な墓標や空を飛ぶ牛車、毒虫の群れなどは、映像を投射することで、見事にクリアされていました。なるほど……と、感心する演出も多かったです。
背景が、場面ごとに動いたり。

年少の人物も、大人が演じてもちゃんと子供に見えていたので、安心して入り込むことが出来ました。

まとめ

原作が魅力いっぱいなのはもちろんですが、舞台上という限られた空間で、素晴らしい世界を見せてくれる……舞台化は良いものだなあ、と思わせてくれた作品です。

衣装も動きやすく、それでいてイメージを崩さないようアレンジされていたり。
何より、役者さん達が、見事に登場人物を生ききっておられました。

凄絶な哀しさと美しさを秘めた、桔梗さま。
ヤンチャで乱暴者だけど、心根は優しい犬夜叉。

美しく残忍な、大妖怪の殺生丸。
カッコイイけれど、陰険で狡猾な奈落。

他の人物も、皆生き生きと魅力的で。
第二弾があったら、絶対に観に行きたい舞台でした。