現在25歳、フリーターの女性です。
バンド活動をしながら、バイトをしています。
音楽、映画、漫画、小説が好きで、ポップカルチャーよりもサブカルチャーを好みます。

今回紹介するのは、漫画、押見修造先生作品「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」です。

私は、「惡の華」という押見修造先生の漫画を読み、そこから押見修造先生の漫画が好きになりました。先生の他の漫画も読んでみたいと思い、調べたところ、題名に惹かれ、早速買いにいきました。

これからこの漫画について紹介していきます。

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漫画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」とは?

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」は、一巻完結の漫画です。

吃音(きつおん・どもり)症の女子高生、志乃が主人公です。
自己紹介がうまくできない志乃は、入学式の日の自己紹介で自分の名前が言えず、周りからからかわれるようになります。

そんな彼女にある日、加代という友達ができます。
加代は「喋れないなら紙に書けばいい」と、志乃のことを馬鹿にせず、紙とペンを渡してくれます。
それから彼女達は仲良くなっていきます。

加代は歌とギターが好きで、志乃に文化祭で一緒にステージに立とうと誘います。志乃と加代は一緒に練習を重ねて行きますが、ある時すれ違いが生じてしまいます。

そのまま文化祭当日を迎えることになり、、、

といったところが、あらすじです。

文化祭のシーンが好き

この漫画の一番好きなところは、文化祭のシーンです。

志乃は結局文化祭のステージに現れず、加代がひとりで歌うことになります。「魔法」という加代が初めて自分で作った曲を歌うのですが、その歌詞が、すごく好きです。

そして、そのステージをこっそりみていた志乃がいきなり叫び出します。その言葉がまた刺さるのです。

加代がひとりで一所懸命に歌う姿を見て、「魔法」を聴いて、志乃は心にくるものがあったのでしょう。

うまく喋れない志乃が一所懸命叫ぶ、顔、言葉。
その時の空気が伝わってくるような、押見修造先生の画。
流石、押見修造!と拍手をしたくなりました。

この話には、もう少し続きがあって。

大人になった志乃が登場します。
電話が掛かってきますが、まだ、自分の名前を言うことができません。

そんな時に、小さい子供がでてきて、電話にむかって「たけみや・しのです!」と叫んでくれます。
志乃は結婚して、家庭を持ち、子どもが生まれていました。

優しい顔で、「ありがとう」と言う志乃の表情が忘れられません。

このマンガが合わないのはこんな人

この漫画は、人を選ぶと思います。

「自分の名前が言えないなんて嘘だろ。」と笑う方もいるかと。

人前に立つことが好きな方や、話すことが好きなお喋りさんには、志乃の気持ちを理解するのは、難しいだろうなと思います。

吃音症の方を軽蔑の目で見る方には、最初から興味がわかないのかなと思います。

また、押見修造先生の作風がそうなのですが、感情を吐き出すような、生々しいタッチで描かれているシーンもあるので、人によっては、受けとれる感情のキャパシティーを超えてしまう可能性があります。

少女漫画の最終的にはうまくいくような、きらきらした恋愛ものが好きな方や、押見修造先生の漫画を読んだことがない方は、「うわぁ、、、」とひいてしまうかもしれません。

ひとつ確かなのは、音楽は救いや力になる

関連することとして、ここでは「魔法」について言いたいことがあります。

ご存知の方も多いかと思いますが、ある音楽フェスでの出来事で、一時期、「音楽は魔法ではない。」とか「音楽は魔法だ。」とか、論争がありましたね。

はっきり言うと、どっちでもいいです。

私自身、音楽をしていて、音楽は魔法みたいだなと思う瞬間はありました。
音楽をやっている人間もそうですが、多かれ少なかれ、人は誰しも信念を持っています。

その、信念を貫き通すことが、かっこいいことなのです。
お互いの信念が強く、または、片方の信念が強く、こういったすれ違いが生じるのは当たり前のことだと思います。

ただ、ひとつ確かなのは、音楽は救いや力になる、ということです。

志乃が、加代の歌う「魔法」に、叫ぶ力をもらったように。

このタイミングで「魔法」が、音源化されたらいいな、なんて、その効果でこの漫画がもっとたくさんの方に読んでもらえたら、なんて、思います。

あとがきに、押見修造先生が吃音症であることを告白しています。

あとがきって、読まずに閉じる方もいるかと思いますが、あとがきというくらいなので、作中では伝えることが出来なかった、作品に対しての思いが綴られているので、実は一番大事なものだったりするのでは?と私は思います。

この漫画を読んでから、私は、あとがきまで読んで本を閉じるようになりました。

押見修造先生の作品には、素晴らしいものがたくさん詰まっています。
人間の表には出さないドロドロとした感情を描いてくれます。

綺麗事ばかり並べていては、つまらないし、言いたいことは言いたいですし、実際、人間ってドロドロした部分があって当然なんですよ。
そこを、見て見ぬ振りをしてはいけないと、教えてくれるのが押見修造先生の優しさです。

まとめ

長いこと書いてきましたが、ここでまとめます。

人間誰しも欠点があって、長けているところもあります。

人の欠点を見つけて、笑ったり、揚げ足を取ったりする人もいます。
そうではなくて、せっかく違うものを持った、人と人なのだから、出来ないことがあるのなら出来る人が助けること、や、欠点探しではなくいいところを褒める、とか。
今の世の中には、そういうことに気付かない人が多い気がしています。

加代の優しさによって、志乃は成長できたと思うのです。

年齢問わず、読んで欲しい、大事なことに気付ける、私の大好きな漫画を紹介しました。