アニメ「のんのんびより」は深夜帯に放送されていて、2013年に放送された第1期の頃は、私はその存在にすら気付きませんでした。動画でワンシーンを見た時の印象は、女の子キャラが何人か登場する日常系アニメかな?程度のものでした。

その後2015年に第2期が放送になって、たまたま一話を観てみたら、気に入ってしまいました。

のんのんびよりは確かに日常系アニメですが、それにプラスして、ゆったりとした田舎暮らしの雰囲気を満喫できる所が素晴しいです。

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『ののんびより』とは

のんのんびよりの舞台は山に囲まれた片田舎です。東京から両親と一緒に引っ越してきた女の子・蛍(ほたる)は「旭丘分校」に通うことになります。

そこは全校生徒わずか5人だけの学校です。転校した蛍の他には中3の卓、中2の小鞠、中1の夏海が兄妹で通っています。もうひとり、小1の宮内れんげは担任教師・一穂の妹です。この非常に小さなコミュニティで、小学生と中学生が同じ教室で学校生活を送ります。

蛍は小学5年生ながら大人びた容姿をしています。慣れない田舎暮らしに戸惑いますが、何かと面倒を見てくれる可愛らしい先輩・小鞠のファンになったりして学校生活に馴染んでいきます。

ボーイッシュな夏海や、天真爛漫な性格のれんげと連れ立って、様々な遊びを体験します。

昭和の雰囲気を残した風景描写が綺麗で好き

アニメ版のんのんびよりがユニークなのは、特に風景描写に注力している点です。

里山と田畑、ぽつぽつと建ち並ぶ旧態依然の民家。申し訳程度の舗装がされた道、そこに毎日数本だけ通るバス、小さな駅に停まる1両編成の鈍行電車……のどかな景色は、1年を通じて季節にふさわしい佇まいを見せます。

もっとも、シナリオ自体は登場人物(ほぼ女性ばかりです)の掛け合いで進行します。動植物と触れ合ったり、近所の駄菓子屋を物色したり片道2時間かけてコンビニまで買い物に行ったりと、田舎ならではのエピソードが満載です。

勉強嫌いの夏海は宿題を放り出して遊びに行きたがるし、幼いれんげは学校でへんてこな工作をしたり、奇抜なネーミングセンスを発揮します。

いかにも日常系らしい漫才のようなやりとりが大部分ですが、シーンの移り変わりに合わせて挿入される自然・風景のワンカットがとても綺麗にまとまっていて、しばしばハッとさせられます。

アニメ版の風景は関東近辺や新潟・和歌山で取材したそうで、特定のどこかというよりも日本によくありそうな農村、それも昭和の雰囲気を色濃く残した描写です。

アニメを気に入ったらコミックもぜひ読みましょう!

深夜帯のアニメとしては、のんのんびよりはヒット作だと言えます。1期・2期と全24話が放送され、未放送分を含めてBD/DVDも発売されています。しかもまだ完結したわけではなく、続編(?)制作中とのニュースもあります。

ただし、興業的に見てアニメセールスが絶好調かと言えば微妙な部分もあって、第3期リリースに踏み切るためには売上げが際どいようです。

また原作・あっと氏のコミックが11巻まで刊行されていますが、月刊誌での連載なので続編がアニメ化されるにはまだ時期尚早な面もあります。アニメは2~3年も経てば忘れてしまうファンも少なくないですから、いささか不利な状況ではあります。

過去のコミック版にはアニメ未収録の回も幾つかあるので、アニメを気に入ったらコミックもぜひ読みましょう!

見ていると、たまにノスタルジックな気分になる

のんのんびよりの特色は、都市化から取り残されたような田舎を舞台にしている事です。廃校にならないのが不思議なほどの過疎地の分校、それを取り巻く里山の景色。それは今でもどこかに実在していそうな、独特の懐かしさを湛えています。

個人事で恐縮ですが、私の実家もド田舎でした。夏休みになると電車を乗り継いで遊びに出かけ、土間から上がりこんで縁側でアイスをかじったり、従兄弟に連れられて裏山や土手へ遊びに行きました。そこは、現在では住宅地に造成されて跡形もありません。

このアニメを視聴している時間のうち、大半は登場キャラのドタバタで笑わせてもらってます。

でも時折り、たまらなくノスタルジックな感傷に浸ることもあります。自分の中の原風景と重なるからじゃないかと、思います。

なんとなくクセになる面白さ

もちろん郷愁を誘うようなアニメ描写は、他作品でも色々見かけます。のんのんびよりに限ったことじゃありません。日常系アニメとして「なんとなくクセになる」面白さがあるのもめっちゃ大事です。

蛍やれんげなど主要な登場人物の他に、旭丘分校の同窓生で、お姉さん的なキャラクターも何人か出てきます。

駄菓子屋の経営をしている楓(20歳)は無愛想なキャラですが、れんげの子守りを引き受けたのがきっかけで母性に目覚めてしまい、時々駄菓子を大盤振る舞いする習性があります。

宮内ひかげはれんげの姉で、一穂の妹にあたります。東京の高校へ進学し、都会で1人暮らしをしていますが、休暇になると6時間ほどかけて里帰りしてくる不定期キャラです。

個人的に1番面白いキャラだと思うのがこの「ひか姉」です。語りだすとキリがないので要約すると、ひか姉は「新幹線バブバブそすんさー姉貴」です。

みな年齢は違っていますが、地元で一緒に生活してきたつながりがあって、「他人」が居ない、それがのんのんびよりの世界じゃないかなと思います。

まとめ

田舎暮らしがベースになっているアニメ「のんのんびより」は、日常系に特有の、まったりと視聴して楽しめる物語です。

故郷の自然風景・動植物・駄菓子やレトロ感あれるグッズが毎回クローズアップされていて、中高年層の方でも懐かしさを味わう事ができます。親子で視聴するのも全然OKな内容です。

アニメ版は深夜帯の放送だったこともあって、知名度はいまひとつ……です。しかし最近では「けものフレンズ」がブームになった例もあるし、魅力的な作品はまだまだあります!のんのんびよりは、いずれは第3期の放送も充分期待できると思います。

今からでも過去のアニメ・コミック版に触れてみてはいかがでしょうか?