漆器といっても今の時代、ピンとくる人は少ないと思います。私は高校卒業後、短大で漆芸を学んでいました。

々は金属関係に興味があって短大に進学したのですが、実際に漆塗りを体験してみて、とても面白くハマってしまったのです。

そのことがきっかけで社会人になった今でも漆で作られた作品やお盆やはし、お椀など、見ているだけでとてもテンションが上がってしまいます。

そこで今回は漆とはどんなものなのか、どんな技法があるのかについて書いていきたいと思います。

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『漆』とは?

まず漆とは、うるしの木から採れる樹液なんです。中国にもうるしの木はあり、漆を採取することができますが、高級品のため金額も普通ではなかなか手に出せないくらいです。

国産の漆ですと、中国産よりもかなりの金額です。高級品と言われるのは、うるしの木からは、一本採取するのにほんの数滴しかとることができないからです。

しかもうるしの木から漆を採取できるようになるまで、10年もの歳月が必要になります。成長したうるしの木に「辺」と呼ばれる傷をつけ、その傷口から出る漆を取ります。

この時使う道具はさまざまありますが、「掻きヘラ」や「アイの刃」と言われるもの。時間をかけて少しずつ採取できた漆で、さまざまな作品が生み出されていくのです。

どんな素材にも合うのが一番の魅力

漆の一番の魅力はどんな素材にも合うということ。

実はお椀やはし以外で、オリジナルで作品を作り、個展を開いている方も、少なからずいます。

漆はかなり万能で、ガラスやプラスチック、木材には勿論、金属素材に塗ることも可能なんです。なので、作品の幅が広がります。

特にガラスと漆のコラボレーションはとても綺麗で思わず見入ってしまうほどです。地方のお土産品で、グラスに漆で模様が描かれている商品などもありました。

漆というとかなり地味な印象があると思いますが、いろんなものに定着しやすいため、便利なところがあります。工夫次第で、びっくりするほど綺麗なものを作ることができるので、そこがかなり面白いのです。

もう一つの魅力は、漆芸というのは、その県によって技法が違うというところ。石川県の輪島塗、香川県の彫漆など、それぞれの県に行ってみると、どれも個性があって印象に残る作品ばかりでした。私のように古いものが好きという方は漆は絶対にハマると思います。

紫外線への弱さ・値段が欠点

どんな素材にも合う漆ですが、欠点もあります。実は紫外線に弱いんです。なのでできるだけ日に当たらない場所に保管しておく必要があります。

また今の時代、漆の食器でなくても、そのまま電子レンジで温めることができる食器もあれば、見た目が可愛くて、値段も安く使い勝手のいいものがたくさん売られています。そういった食器と比べると、漆で作られた食器は使いづらいかもしれません。

漆器は普段から使うというよりも見て楽しむというやり方のほうが合っているかと思います。なので漆器などは、常日頃から物を大切にしている人や、古い物が好きな方にはいいかもしれません。

また漆器は普通の食器と比べて凄く高いです。なのであまり好んで買う方は少ないかと思います。

漆のその他の魅力

今は木工用ボンドや接着剤など売られていますが、昔は漆を接着剤の代わりに使っていました。

お椀やお盆に装飾を施す際、貝や金粉を貼ったりするのですが、その時にも漆が使われます。なので、特別な接着剤は必要ないのです。

また、漆を塗る際、専用の刷毛を使うのですが、実は刷毛は女性の髪の毛でできているのです。買おうと思っても簡単に手に入る道具ではないのです。

漆自体高級品ですが、使っている道具自体もまた高級品なのです。昔な便利なものなどなかったので、これも昔の人の知恵によって作られたのかもしれません。

もう一つは、皆さん漆というと、黒い色と赤い色のイメージが強いかもしれませんが、実は漆も絵具のようにいろんな色があるんです。その名も色漆といいます。

香川では色漆はけっこう有名で、私は実際に香川に行って、色漆を使った作品を見たことがあるのですが、漆とは思えないぐらい鮮やかな色合いで、絵具よりも綺麗な感じがしました。

地味な色合いのイメージが強いかもしれませんが、気になる方は、ぜひ香川に足を運んでみてください。一度みたら忘れられないくらい感動すると思います。

漆の装飾で欠かせない素材があるのですが、私は実際にやってみて一番面白いと思ったのが、螺鈿というもの。貝を加工したものなんです。

装飾にはよく使われていて、好きな形にカットしていき、漆で貼っていきます。貝自体は鮮やかでとても綺麗なのですが、貼りやすいように、平たく加工してあります。貼り絵とかが好きな方はこの工程はハマるかもしれません。

金箔は薄く、ちょっとでも気を抜けば剥がれ落ちてしまうほどかなり薄いです。使う装飾自体も珍しいものばかりで、とても興味をそそられます。

まとめ

漆について紹介していきましたが、漆はどんな素材にも合い、しかも一本の木から数滴しか取れないとても貴重な素材だというのが、わかっていただければありがたいです。

道具自体も高級なものばかりで、漆も絵具のように何色もの色合いが実在します。なかなか普段から見れるものではないため、この記事を読んでぜひ参考にしてみてもらいたいと思います。

また、漆は接着剤の代わりになるので、もし漆に触れる機会がありましたら、試してみるのも面白いですよ。