「江戸川乱歩」といえば「怪人二十面相」を含む「明智小五郎」シリーズなど、推理物で有名な作品が多いことから、ミステリー作家と思っている人も多いと思います。

しかし、乱歩は人間の生々しさを描くホラーでも、多くの魅力的な作品を世に出しているのです。

戸川乱歩のホラー作品の魅力は、人の中に少しは存在するような狂気の箍が外れて暴走するような人間模様の不気味さにあると私は感じています。

妖怪や幽霊が出てくるようなホラーではなく、人間の中から生まれた狂気に恐怖を感じます。

一度読みだしたら病みつきになる江戸川乱歩ホラーの世界の魅力を少しでも伝えられたら幸いです。

江戸川乱歩のホラー作品について、オススメの作品を例に挙げながら紹介します。

今回はホラーがお好きな方に、乱歩の珠玉ホラー作品について知ってもらいたいと思います。

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活字アレルギーの人間でも大丈夫なほどの読みやすさも魅力

江戸川乱歩のホラーの魅力は、丁寧な語り口調による読みやすさもあります。

実は私は乱歩の作品に出合うまで、活字アレルギーを称する程活字が苦手でした。

そのため、現代の小説さえ読了がおぼつかない私がひと昔前の名作を読める自信は全くありませんでした。

しかし、とあるきっかけにより乱歩の作品を読んでみて、その読みやすさに驚きました。

話がコンパクトで、語り口調が多くて読みやすい

一話一時間程度で読めるコンパクトなものであることと、語り口調が多いことが読みやすい要因でした。

乱歩のホラーでは一人が長々と語り続けるものが多いです。

「人間椅子」では原稿に書かれた告白文、「赤い椅子」では一人の独白といったように、要は日常の話し言葉である口語が多いのです。

お堅く取っつきにくい印象の文語とはむしろ逆の読みやすい文体である分、話はスラスラと頭に入ってきます。

普段、小説を読まない人にもオススメ!

そのため、乱歩のホラー作品はホラーが好きな方にも勿論おすすめですが、小説を読んでみたいけれども難しい印象があるので苦手意識がある方にも是非おすすめしたいです。

一つの作品が読めるようになれば、また次の作品も読みたくたるかもしれません。

そうして、自分の本当に好きな作品に出会う足がかりとしても、江戸川乱歩の作品はうってつけです。

江戸川乱歩のおすすめ作品は?

”椅子の中の恋”物語である「人間椅子」、多数の完全犯罪を犯したと豪語する男が語る「赤い部屋」、絶世の美女に一目惚れした兄の終末を語る「押絵と旅する男」、苦痛と快楽で埋め尽くされた怪奇小説の真骨頂「芋虫」など、乱歩のホラーは魅力あふれる作品が満載です。

人間模様のホラーや怪奇小説を好む方に特にオススメです。

人間椅子:キャチフレーズは「椅子の中の恋」

「人間椅子」では、女流作家が送られてきた原稿を読み始めることから始まります。

原稿に書かれた告白はとある男のものであり、自分のおぞましい体験を淡々と語っています。

不気味な内容はだんだんと怪しい雲行きになり、女流作家を恐怖に引きずり込んでいくのです。

「椅子の中の恋」というキャッチフレーズに偽りのない、独特の不気味さが癖になります。

赤い部屋:多数の完全犯罪を犯したと豪語する男の結末は・・・

「赤い部屋」では、とある男が自分の犯してきたという完全犯罪を淡々と語ります。

ある時は初対面の老人を、長年付き合いのある親友を、不特定多数の人々を次々と完全犯罪の標的にしてきたと語る男の目的が衝撃の終末に繋がっていきます。

あまり核心に触れないよう述べたため、どんな魅力であるかはイマイチ伝わりにくいかもしれません。

しかし、興味が湧いた方は一度読んでみることを強くオススメしたいです。

また、乱歩は最後のオチにお茶目さを感じられる作品も多いです。この紹介で乱歩独特のホラーエンターテイメントに少しでも興味をもった方がいれば幸いです。

「芋虫」のグロテスクな表現は好き嫌いが分かれるかも

乱歩のホラーは時折グロテスクな表現を含むものもあります。

前述にある「芋虫」などはその最たるものです。

「芋虫」は戦時中負傷した夫の世話をしながら慎ましく暮らす妻を描いたものですが、負傷した夫の表現から想像するだけで痛ましくなります。

その後の結末はさらにグロテスクなものになるため、注意が必要です。

怪奇小説を好む方やグロテスクな表現に耐性のある方は大丈夫だと思いますが、グロテスクな場面は文字を追うだけでもしんどい方はあまりオススメできません。

グロテスクな表現のない作品

「人間椅子」や「押絵と旅する男」などはグロテスクな表現は含まれないため、乱歩のホラー作品の入り口としてオススメです。

あくまで人間模様のホラーであるため、妖怪や幽霊が苦手な方でも一度読んでみれば楽しめるかもしれません。

まとめ

江戸川乱歩のホラー作品は、人間の内に潜む狂気や人間模様を描いた魅力的なものが多数あります。

一部グロテスクな表現が苦手な方には厳しい作品もありますが、取っつきやすい作品も多数あるため、是非一度手に取ってみてほしいです。

また、一つ一つの小説は一時間程度で読了できる短いものも多く、口語の読みやすい文体であるため、活字に苦手意識を持つ方にも是非試しに読んでみてほしいです。

この紹介で乱歩のホラー作品に興味を持つ方がいれば幸いです。