私は極々一般的な社会人ですが、若い頃から聴いているヒップホップミュージックが今でも大好きです。

ヒップホップに出会ったきっかけとしては、時の頃なら1990年代初頭、中学生になって部活で始めたバスケットボールを通じて、NBA(アメリカプロバスケットボールリーグ)を観るようになり、当時のNBAを観ているとハイライト集では決まってヒップホップがBGMに流れていたから…

即ち当時のアメリカを代表するスポーツに対し、それと相性のいい流行の音楽が添えられていたことがきっかけになりました。

今回は、そのヒップホップについての概要から、その成り立ちに焦点を絞って語らせて頂きます。

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ヒップホップとは?

ヒップホップとは、アメリカを発祥とする音楽ジャンルのひとつです。パッと聴いた感じのイメージとしては、ドラムとベースを強調した音の上に、リズミカルに喋るようなボーカルを乗せた曲が殆どを占めています。

ただし重要なのはその成り立ち、歴史にあります。

1970年代のニューヨークでは、根深い人種差別問題の中にある黒人たちが社会的に虐げられた結果、文字通り行き場を失ってスラム街に身を寄せ合う中で、沸き上がる過激な感情を仲間同士でぶつけ合う荒んだ日々を送っていました。

しかしある日、そんな生活に終止符を打つべく黒人たちが自ら生み出した娯楽が、ヒップホップだったのです。

ヒップホップとは音楽ジャンル以前に、それまで黒人たちが争い事に決着を付ける手段として用いていた暴力を廃止し、その代わりの手段として提唱された娯楽文化の総称を指します。

ヒップホップの魅力は「祭り」に近い

ヒップホップの魅力は「祭」のそれに近いものがあります。これには前述の成り立ちが大きく関係します。

当時の黒人たちは、娯楽に没頭したくても社会的に虐げられていることにより叶わなかったため、自分たちで娯楽の環境を整備するところから始めました。

配電設備から電力を引き込み、公園の一角に設置した持ち寄りの音響設備から既存のレコードを流して聴衆を集める自主パーティを開いたのが、ヒップホップの始まりと言われています。

そのパーティを盛り上げる要素として、レコードをプレイするDJ、マイクで聴衆を煽るMC、ダイナミックに踊るブレイクダンサー、アートで会場を飾るグラフィティライターが欠かせませんでした。

これらは「ヒップホップの四大要素」と呼ばれ、ヒップホップを理解する上での基本事項とされています。

彼らは本来いずれも特別なアーティスト等ではなく、パーティ・ピープルのひとりに過ぎませんでしたが、それぞれ磨いたセンスで他人よりも注目を浴びようとして、またはそんな目立ちたがりの輩を一目拝もうとして、我も我もと集まる輪がアッという間に広まって爆発したのがヒップホップだったのです。

爆発したために忘れられがちですが、ヒップホップの根底にあるこの「我も我も」感が、そのまま「祭」の魅力に通じていくものだと思っています。

ヒップホップの問題点

そんなヒップホップもいい面ばかりではありません。アメリカではヒップホップに端を発する問題が幾つも存在します。

流行後のヒップホップの歌詞には過度に性的/暴力的な表現が多いため、アメリカでは視聴するのに保護者の指導が必要とされています。

また、グラフィティライターは主に壁面や電車全体をキャンバスとするため、街の景観を損ねる落書きとみなされて社会問題に発展した経緯があります。

更に日本国内固有の問題として、日本人がヒップホップに関わることについて議論を巻き起こすことが度々あります。

その議論は往々にして、社会的マイノリティな人々が生み出した文化に日本人が馴染むか否か、英語だから体現できる音楽に日本語が馴染むか否かの2つに分かれます。

「ヒップホップの四大要素」のうち、DJとMCについて

以上、ヒップホップの魅力およびデメリットについてざっくりと述べましたが、もう少し具体的に魅力を紐解くため、前述の「ヒップホップの四大要素」のうち、DJとMCについての特徴を紹介します。

まずDJとは、レコードをプレイする人であると述べましたが、具体的には、左右に2台並べたレコードプレイヤー(ターンテーブル)と、各プレイヤーにて再生される音の切替器(ミキサー)を操作して、レコードに記録された音楽を切れ間なく交互に、あるいは同時に流し続ける役割を果たします。

かと言って、DJはただ漫然と音楽を垂れ流ししていたわけではありません。

時には、聴衆をひきつける工夫のひとつとして、2枚の同じレコードを左右のターンテーブルにセットし、その曲の中で最も印象的な部分(特にドラムのソロパートが好まれました)だけを繰り返しループすることで、MCが喋ったりブレイクダンサーが踊ったりする場面を演出するのにも一役買っています

この「とある曲のうち印象的な部分を繰り返しループした上にその他付加価値を与えて再構築する」という考え方は、ヒップホップミュージック制作の基本として現在までに受け継がれています。

次にMCとは、マイクで聴衆を煽る人であると述べましたが、もっと端的に言えば「ラッパー」のことを指します。マイクを持ってYo!Yo!言うあの人たちのことです(笑)。

今でこそラッパーは、ミュージックビデオにおいて服を着飾ってフリをつけて格好良くラップをキメるのが当たり前となっていますが、そもそもはパーティ会場のアナウンス係でした。

例えば、「○○ちゃん、○○ちゃん、いたら入口まで一旦出てきてね、ママが迎えにきてるよ」といったアナウンスを随時発信する役割を果たしていたのです。

しかし、ただアナウンスを淡々と発信するよりも、それに添えて気の利いたことを喋った方が聴衆も盛り上がるようになり、いつしかその「気の利いたこと」をいかに喋るかに重きを置かれるようになったのが、MCの始まりだったと言い伝えられています。

以上、DJとMCについての紹介をさせて頂きましたが、いずれも特徴的で一度目にすると虜になるのに加えて「自分もやってみたい」という衝動が沸き起こります。

実際日本国内でも1990年あたりにDJが主役となるレコードブームが、2015年あたりからMCが主役となるフリースタイルラップバトルブームが巻き起こっています。

まとめ

それでは最後にまとめです。

・ヒップホップは音楽ジャンル以前に娯楽文化の総称を指す。
・ヒップホップの「我も我も」感は「祭」の魅力に通じる。
・しかしヒップホップが関わる社会問題は多く、日本での展開に疑問の声もある。
・それでもヒップホップを構成するDJやMCは特徴的でブームを巻き起こす発端となる。

テレビやネットでは、物事の悪目立ちする部分ばかり取り上げられがちで、ヒップホップについてもその例外ではありません。

ヒップホップを正当に評価してもらうにあたり、この記事を通じて概要だけでも理解して欲しいと思い、長々と書かせて頂きました。

以上、最後までお読みくださいまして、ありがとうございました!