私は読書が好きです。ジャンルでは特に推理が好きなのですが、警察小説は意外と読んでいませんでした。

そこで何かピッタリ合う警察小説がないか探していたところ、堂場瞬一さんの「アナザーフェイス」をネットで知りました。

初読みの作家さんだけに文体や雰囲気が合うかどうか不安だったのですが、私にぴったりと合いました。

これから、そんなアナザーフェイスのどんなところが魅力的なのか、そして好きなのかをできるだけわかりやすく書いていきます。

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小説「アナザーフェイス」とは?

アナザーフェイスの作者は、すでに多くの作品を出版している堂場瞬一さんです。

堂場瞬一さんは非常に多ジャンルな作家として知られていて、他にスポーツ小説を書いていたりします。

そして、警察小説はシリーズ化されている作品が多く、アナザーフェイスもそうです。

2017年9月時点で、文庫が8冊刊行されています。

どんな主人公?

本作の主人公の名前は大友鉄、妻に死別された一児のシングルファザーです。

子どもの名前は優斗で、お父さんのことが大好きです。

大友が所属しているのは総務課で、事件の第一線で活躍するのではなく事務処理やバックアップが主な仕事です。

ただ、もともとは最前線で仕事をする一課に所属していました。

ですが、シングルファザーになって子育てを優先させるため、総務課へ部署異動したのです。

これがアナザーフェイスの大まかな概要です。

主人公の普通っぽさに親近感がわく

アナザーフェイスの魅力は、主人公の大友鉄にどこか親しみを持てる点です。

警察小説というと、どうしてもハードボイルドなイメージが強いです。

凶悪な犯罪者と時には格闘をまじえながら対峙していく、また派手な銃撃戦や捕り物劇があるなど、アクションのある展開を想像します。

しかし、アナザーフェイスはそうではありません。

なぜなら主人公の大友がどこにでもいそうな普通のお父さんで、とても優しい気持ちを持っているからです。

優斗を育てながら警察業務に励む大友の姿には、とても親近感がわきます。

私は子どもがいるわけではありませんが、それでもそんな大友の普通っぽさがアナザーフェイスの世界を身近に感じさせてくれるのです。

刑事としての能力も特殊で面白い

また、刑事としての大友の能力も特殊でかなりおもしろいです。

学生時代、大友は舞台役者をしていました。

舞台役者ですので、変装や演じることはお手のものです。

その能力を、刑事の仕事に活かします。また、端正な顔立ちと優しい言葉遣いから、取り調べを得意としています。

大友を前にするとなぜか容疑者がスラスラと口を割ってしまう、そんなすごさが大友にはあります。

この大友の主人公像に、私は強く惹かれました。

今までふれてきた警察小説とは一味も二味も違うことが、とてもおもしろいと思ったのです。

ダイナミックな展開は少ない

アナザーフェイスが人を選ぶ点は、展開が比較的地味な点です。細かい動きはたくさんあるのですが、あまりダイナミックな展開にはなりません。

私はそれでも全然構わないのですが、最後の最後でどんでん返しされることに快感を覚える人は、物足りなく感じてしまうかもしれないです。

心理的な部分にクローズアップした小説

手の裏をかくような知能戦や、生死をかけたような場面とは基本的に無縁です。

そうではなく、もっと心理的な部分がクローズアップされています。

また、優斗の子育ての大変さについても書かれていますし、どちらかといえば日常色が強いです。

そこを楽しめない人にとっては、あまりおもしろくないと感じるかもしれません。ですので、期待し過ぎて読んでしまうと、もしかしたら肩透かしされるかもしれないです。

周りのキャラクターも魅力的

上記に挙げた以外でアナザーフェイスの魅力を語るなら、大友の周りにいる人たちのことです。

特に同期で仲の良い柴は、大友の良き理解者です。

常に大友のことを気にかけていて、優斗のことも家族のように接しています。

性格は無鉄砲でやや好戦的、事件を目の前にするとギラギラ輝くこれぞ刑事という男ですが、その性格が大友と対比になっていてとても魅力的です。

柴はシリーズを通して登場しますし、単純でわかりやすい性格をしているので読者の中でも好きな人は多いと思います。

誰でもスラスラと読みやすい

本としての魅力を挙げるなら、誰でも読みやすい文章なのはとても評価したい点です。

最近は若者の読書離れが著しいと聞きますが、それは本が難しい文章で書かれていると思い込んでいるからかもしれません。

ですが、堂場瞬一さんの書くアナザーフェイスの文章は、スラスラと読めます。

1度に100ページでも200ページでも読めるスピード感

ひらがなとカタカナと漢字のバランスが良く、難しい表現はほとんど使っていません。

だからといって陳腐な文章なのではなく、適度に比喩をまじえていたりなど文学的な面ももちろんあります。

ですから読んでいて単純に楽しいですし、読んでいくときはスピード感があります。

そのスピード感に乗ってくると物語の世界観にどっぷりとつかることができ、1度に100ページでも200ページでも読めます。

そういうところが、アナザーフェイスはおもしろいと思わせてくれる点です。

本はまず読んでもらわなければおもしろいも何もありませんので、アナザーフェイスの読みやすさは間違いなく万人受けするはずです。

そこがとても好きな部分です。

まとめ

アナザーフェイスは、サラッと読める警察小説を読みたい人におすすめできる作品です。

警察小説は難しそうでとっつきにくい、専門用語が羅列されているのではないか、と思う人が多いかもしれませんがそんなことはありません。

大友と優斗のやり取りは、読んでいて心がなごみます。

また、悪戦苦闘しながらも事件に立ち向かう大友はシンプルにかっこいいです。

そして、誰でも読めるカジュアルさがあります。

ですので、アナザーフェイスは気軽に読める警察小説として、私の大プッシュ作品です。